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静岡の台風被害。自分は何もできていないとモヤモヤしている人へ。

台風15号の影響で発生した静岡市・清水区の大規模な断水。
断水の時に困ることは?

今月23日の夜から、静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号。
静岡市清水区でおよそ6万3000世帯が断水となりました。
28日時点で半数の世帯で解消されましたが、依然として3万世帯余りで影響が続いていて市が全面復旧を急いでいます。
原因は興津川にある取水口に大量の流木や土砂が詰まってしまったから。

ライフラインの要である水がストップし、現地は大パニックに。



一番困るのがトイレ

水道水が出ない!!!

皆さんがこの状況になったら、何を一番心配するでしょうか。

「生きていくために水がないとヤバイ!!!」

まずは口から摂取する水分をイメージするかと思います。

しかし、被災した方や現地で支援している方にお話を伺うと、一番困るのはトイレ(排泄)だそうです。

確かにそうですよね。人間の生理現象である排泄は、たとえ災害時でも待ってくれません。

また、道路が遮断されたりすると、仮設トイレの設置にも期待が持てません。

1日に6回以上は排泄するわけですから、それをどう処理するのか・・・

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実際に東日本大震災のとき、仮設トイレが避難所に行き渡るのにどれくらい要したのかの調査によると、
3日以内は34%、8日以上かかったのは49%というデータがあります。


※調査/名古屋大学エコトピア科学研究所 協力/日本トイレ研究所
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断水中でも水洗トイレを流す方法

「排尿後、5〜8リットルのバケツの水をトイレに一気に流す」という方法があります。

ただ、給水拠点となっている施設まで水を取りに行く作業はかなりの重労働で、
10L~20Lのポリタンクを何度も運ばなくてはなりません。

学校・幼稚園が休校となり、子どもたちが自宅にいる状態。

しかも、乳幼児をお世話しているお母さんや高齢者にとっては、それだけで体力的にも精神的にも負担になるんですね。

さらに、うまく流れなかった時のことを考えると、便を流すことはおすすめできません。
バケツで勢いよく水を流し込む際に、飛び散ることを想像すると・・・・。

うーん。。。。嫌な予感がします!!!




下水道や浄化槽が被災している場合は水洗トイレで流せません!

下水処理施設や地中の下水管の被災・破損、液状化現象によるマンホール浮上が起きている状況などです。

浄化槽の場合も、電気系統にトラブルが生じた場合は機能しなくなることもあります。

山間部にお住まいの方は、自然に頼ってお外で排泄ができると思いますが、
集合住宅やアパート・マンションにお住いの場合は特に、
屋外での排泄は悪臭の原因にもなるため、近所トラブルに発展することもあるそうです。


ありがたいことに今回の災害でも、トイレやお風呂を提供してくれる公共施設や飲食店が多くありました。

しかし問題になるのは小さな子どもたちの排泄です。

大人の私たちは我慢することができても、「おしっこー---!!!」の訴えから急いで車に子どもを乗せて、
5分走らせてる間に漏らしてしまう・・・・

子育て中のお母さんは自分のことはさておき、子どもの命とメンタルを守ることに必死なはずです。

不安や恐れが常にある中で、精神的にもギリギリの状態だからこそ、
子どものトイレ問題をなんとかせねば!!!!!


そんな想いから、「牛乳パックで簡易トイレを作り、支援が必要な親子に届けよう」と動いていた玉川周さん。


【今、すぐにでも私ができること。】

それを考えた時に、この人の応援をしようと思い立ち、藤枝市で牛乳パックの回収を呼びかけ、
たくさんの方が協力してくださいました。

2日で推定800個以上集まりました。

私の手元に1個しかなかったのに、声をあげてみるもんだなと、、、、ビックリです!!!



子どもたちのトイレに活用する牛乳パック

★牛乳パックで作る!手作り防災トイレの作り方

こちらは後日シェアさせていただきますね。



支援したい!でも自分は何もできていないとモヤモヤする・・・
今のあなたに合う支援のカタチでいい

SNSを見ていると、すぐに行動して現地に支援物資を届けたり、
積極的に情報発信している人がたくさんいますよね。

そんな人たちの行動を見て、何もできていない自分を責めたり、
こんなちっぽけな支援しかできない自分に価値がないように思えたりしていませんか?


実際に私もその一人でした。

「子ども用のトイレを作るために牛乳パックがほしい!!(切り開いてないもの)」


その情報を見たときに、自宅にあった牛乳パックはたった1本。


「私がこの1本を持って行ったところで誰かを救えるわけがない。」

「こんなにも役立たずで無力な自分が情けない。」

そんな心の声が聞こえてきて、一度は行動するのをやめよう!と思ったんですね。



被災者だけではなく、遠く離れた土地に住んでいたとしても、
報道やSNSを見た誰しもが精神的にダメージを受けます。


ロシアとウクライナの戦争をニュースで見て、心を痛めた方も多いのではないでしょうか。


あなたができる支援のカタチは物資や寄付だけではありません。


そもそも、ひとりひとり、ライフステージや環境が違うわけですから、
全員が同じ行動をできるはずないんです。


持病があって感染リスクを避けて生活している人。

コロナや夏風邪のお子さんを看病している人。

妊娠中や乳児を抱えているお母さんたち。

仕事での立場や抱えている任務によって仕事を第一優先にしなければならない人たち。


そんな方はまずは自分を十分労ってほしいなと思います。




みんな、それぞれ日常を回すことに大変だったりするし、
置かれている環境も、考え方も、行動パターンも違います。


何がいい、悪い、そんなジャッジはどこにもなくて、

余裕があるときに、
できる人ができることを、
できるカタチで必要とされている支援に繋げていくことができば良いのです。



①モノやお金で支援する

これは誰が見ても聞いてもわかりやすい形ですね。

被災地まで行けなかったとしても、支援の拠点になっている場所に物資を届けるだけでも良いと思います。

実際に私も、日ごろから子育てママの心の拠り所になっている、
子育て支援センターよしよしさんに牛乳パックを配達させていただきました。


お金という形も静岡県外にお住まいの方は簡単に支援ができますね。


静岡市は27日、ふるさと納税ポータルサイトを通じ、災害復興支援に役立てる寄付金の受け付けを開始しました!




②現地に行く(ボランティア活動)

清水区の場合も、被災から5日目になってからモノ・水は足りているという情報が入るようになったんですね。

支援物資が集まり過ぎて、配布先を探しているという拠点もあったようです。

そう・・・足りていないのは圧倒的にマンパワーです。

土砂や浸水した家具・家電を撤去する作業はもちろんのこと、

子育て世代は浸水した箇所を片付けたくても、休園によって子どもの預け先がなく、
作業を進めることができない現状があります。


そこで、必要になってくるのが託児ボランティアです。


しずおか子育て防災ネットワークが主体となり、被災者の子育て世帯対象に「託児+洗濯代行」事業を助成金をもらって開始しました。

浸水害のあった地域は、これからしばらく砂埃がすごくて、断水が復旧してもお洗濯物干すのが難しい可能性があるそうです。

託児の受け入れ時についでにお洗濯物も受け取って、洗濯も請け負うという支援です。

子どもの世話をしながらの撤去作業はケガをさせてしまう場合もありますし、
作業に集中している間に子どもが行方不明になってしまうというリスクもあります。


普段の買い物さえ、子どもと一緒だと2倍以上の時間がかかりますし、
駄々こねによって出費も増えてしまいますよね・・・。

子育て世代にとっては、こういったボランティアさんの活動は本当にありがたいですね。



③第一線で支援している人を支援する

外部の支援者とは異なり、被災地の支援者は被災地を離れられません。

自分たちが生活してきた地元が打撃を受け、大切な物や知人を失った人もいるかもしれません。

自分や家族の衣食住などに不安をかかえながらも、
地域のみんなのためにと、使命感で動いている支援者もたくさんいます。


第一線で支援している人を応援する方法はこんなものがあるのかなと思います。


◎活動を知ってもらうためにSNS投稿をシェアする(遠くにいてもできる!)

◎支援者を直接サポート(食べ物やお菓子の差し入れ・体調チェックなど)

◎一人で抱え込まないように話を聴く(離れていれば応援しているよのメッセージでも)




先程、紹介させていただいた玉川さんもこんなお言葉を頂きました。


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800個以上の牛乳パックが集まって、感動でした!
ひとりじゃない。こんなにも力になりたいと思ってくれる人がいるんだと思ったら、
運転しながら涙が止まりませんでした。
本当にありがとうございます。
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その言葉を聞いて、私も正直にうれしかったです。

「行動してよかった。」

今回、わたしの力だけではできなかった支援です。

協力してくれた皆さん、ひとりひとりにありがとうを伝えたいです。

うちはパックジュースを飲まないし、牛乳パックもない! 

藤枝市までは遠くて届ける時間がない!


そんな方にもありがとうを伝えたいです。


何もできないけど拡散だけさせてください!


そうDMをくださった方にもありがとうを伝えたいです。


思いやりの気持ちをたくさん頂けて、私の心のエネルギーになりました。



④いつもと変わらず仕事をする・消費活動をする

普段の生活をまわしていくだけで精一杯なのに、

「私よりもっとたいへんな人達がいるから弱音を吐いてはいけない」

「衣食住に困ってない自分なんかが、甘えていては申し訳ない」



そんな風に、普段通りに生活することに罪悪感を覚えたり、無力感から自尊心が傷ついてしまう人もいます。


災害時に関わらず、普段の生活の中で困難があったら、誰かに頼ったり、助けを求めたりしてもいいんです。


頼ることは相手の能力を認め、信頼している証拠。

同時に自分の弱さや苦手を受け入れ、相手のよいところや得意を見つけ出すことができれば、
ひとりでやるより頼った方がお互いのためになる場合があります。


そこには感謝が生まれますし、相手にとってのやりがい(役割)を創りだすことにも繋がりますね。


身近な家族に頼れない時は、民間の家事代行サービスや行政が行う無料カウンセリングなどを活用するのもいいですね。



今、自分に求められていることを淡々とこなす。

それが子育てかもしれないし、仕事かもしれないし、どんなフィールドでも、
与えられている役割や自分が出来ることをこなすこと。

モノを買う、飲食店で食事をすること。



被災した地域は人のエネルギーも停滞し、経済活動もストップしているわけですから、
そんな当たり前の消費が広い意味での社会支援に繋がります。


ちょっとわかりづらくなってしまいましたが、分かりやすく言うと、

お友達が落ち込んでいたら(陰)

寄り添って励ます人(陽)

がいることでバランスが取れるということかなと思います。



⑤自分と身近な人に感謝を伝える

事件・事故・災害が起こった時、
病気やケガになった時こそ、自分の命の大切さや健康でいられることの有難みがひしひしと感じられると思います。

そして人からの励ましや応援に、見えないところで支えられていることを知る。


遠くの誰かじゃなくていいんです。
あなたの近くにいる家族・友人・職場の仲間たちに感謝の気持ちを表現するのはどうでしょうか。


今回の台風被害による清水区の断水は、地球規模で見てみれば全世界中の、日本という国の、静岡県の中の、小さな地域での災害でした。

もっともっと大規模な災害となった時、
私たちひとりひとりの心が、「与える・受け取る」ことが当たり前にできるようになっていないと、
共倒れになってしまうのかもしれないなと思うのです。




まとめ/災害時こそ、人との繋がりが大切

私の住む静岡県で身近に起こった災害。

災害時こそ、人との繋がりが大切だということを痛感しました。


モノ、ライフライン、家、仕事がなくなったときに、残っているのは人間そのもの。


裸ではなくても、リアルな自分とリアルな相手。


だからこそ、普段から身近な人との繋がりを深めておくことや、

自分自身の感情と向き合う習慣を作っていくことが、そもそもの備えになるのではないかなと思います。



私たちひとりひとりが助け上手、頼り上手、頼られ上手になることも、地域全体の力を強めていくことに結びつくのかもしれませんね。


そして、災害という非常事態が起こった時は、
自分が「コントロールできるもの」
と「できないもの」を整理することも大切です。


自然災害は自分の意志では引き起こせないし、
水道水の復旧も自分だけの努力で達成できるものではないので、
目の前に起こっていることのほとんどが、「自分がコントロールできないもの」だったりするんですね。


こうなってほしい!と期待しすぎずに、
思考を緩める意識をしていくのもおすすめです。

この整理術は人間関係でストレスを感じた時にも当てはめることができます。
すこーしラクになることが増えていきますよ。

その話はまたブログに書きますね。

最後まで読んでくれてありがとうございました。



「どんなあなたでも大丈夫」

いつもあなたを応援しています。



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心理カウンセラー 緑川法子


静岡県在住、10歳7歳、男子2人の母。
焼肉&ラーメンが大好き!
男性脳つよめのアラフォー。

ISD個性心理学/黒ひょう・虎・ロマン
赤ちゃんともち/おしえてちゃん・そうぞうもち
数秘/3
マヤ暦/青い猿、青い嵐、音13
九星気学/七赤金星


ママの心に寄り添う、自称「地域の子育て応援団長」。

大学卒業後、地元メディアにてイベントプロデューサーとして経験を積む。
出産を機に退社し、専業主婦に転身したものの育児ノイローゼになり暗黒時代を過ごす。

愛する子どもとの信頼関係を見直すべく、
心理学、アンガーマネージメント、分類学、統計学、性教育を学ぶ。

子育ての孤独や家族関係で悩むお母さんを救いたいと、
2017年、心のケアサロン「ノンノセルフケア」を立ち上げ、
これまで3000人以上の親子・夫婦関係を紐解く。

笑いと感動をさそう、現役ママならではのリアルなお話には定評があり、
教育現場や企業・メディアからのオファー多数。

「家庭×多様性×愛」

をテーマに誰もが生きやすい社会を探求中。

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