思春期を乗り切るための心構え
思春期の子どもをむやみに恐れたり、腫れものに触るような扱いをする必要はありません。まずは思春期の子どもたちの心理を知り、幼少期からの親子関係を良好にし、継続する少しの努力をしていけば問題ありません。自分と我が子の個性の違いとコミュニケーションを学ぶことで、子どもの個性を変にゆがめてしまったり、思春期の反発を強くすることを防ぐこともできます。
息子さんや娘さんが思春期に入っても「始まったな、どんな風になるのかな?」とドーンと構えて、むしろその変化を楽しむくらいになってほしいと思っています。そうは言っても人生経験が10年程度の子どもは未熟さがあり、どうしても親は子どもに対して過保護や過干渉、そして否定的になりがちなもの。「子どもたちが大人になっても自分を愛し、まわりの人への優しい気持ちを抱けるようになる」ために、自己肯定感を育む言葉のシャワーをふりそそぎましょう!
2200人の親子関係を紐解いてきましたが、少なからず親とうまく行っていない、あるいは疎遠になっている、親に対して苦手意識が強い人たちがいます。そういった方たちは、親から自分らしさを認めてもらえなかった、何をやっても褒めてもらえなかった、理解してもらえなかったというコンプレックスが、心の奥底に根強く残っているケースが多いのです。
-
Point.01 思春期は通過点
10歳前後から身体の急成長にともない、心がアンバランスになる時期です。「自分は何でもできる」と思いたい反面、「不安で甘えたい」部分もある。昨日は乱暴な口をきいて反発したのに、今日は妙にベタベタするなど、相反する行動をする場合もあります。
「成長の可能性」と「リスク」を同時に持っていて、この時期に受けた刺激とその解釈が、その後の人生に与える影響がとても大きいのです。コミュニケーションが難しくなったとしても過剰に反論せず、それを素直に受け入れ、成長していることは喜びだと転換しましょう! -
Point.02 親子である前にひとりの人間
親やほかの大人からの独立願望が芽生えてくる時期です。実際の中高生は親に対してこんな気持ちを抱くことがあります。
●「細かい指示がうっとうしかった」
●「いちいち応えるのが面倒だった」
●「一人の人間として見てほしかった」
●「恋愛や性の話を相談できなかった」
●「口だけで自分はどうなんだ?とイライラした」
●「失敗しても責めないでほしかった」
●「他人と比較されるのは嫌だった」
●「上から目線にゲンナリした」
●「家にいたくなかった」など。
子どもなのに生意気な、といった決めつけも激しく抵抗されるでしょう。助言者より、よき理解者になることを意識して、対等に子どもと接しましょう! -
Point.03 親自身の価値観を押し付けない
子どもにもそれぞれ個性があり、血縁関係があってもまったく別の価値観を持っていることも多々あります。親から見て「え?それはどうなの??」と疑問に思うことでも、場面を変えればほかの子にはない発想力で新しいものを生み出すスキルなのかもしれません。個性をプラスに捉え、「あなたのアイディアは素晴らしいね!」と長所として伝えていきましょう。自分は価値ある人間なんだと認める力が人生を切り開くパワーになります。
-
Point.04 何でも話せる親子関係を
異性に興味を持ったり、恋愛やSEXへの関心も高まります。その罪悪感から親を遠ざける傾向もあるといわれています。男女交際が始まる頃に親が悩むのが、避妊や性犯罪、望まない妊娠などの、性のトラブルです。特に一生を左右する性のトラブルは親としては避けたいですし、正しい知識を持たせたいもの。いざ聞いてほしいときに、親からそんな話は聞きたくないと拒絶されては心が折れてしまいますよね。私がおすすめしているのは、まだ恥ずかしさのない3歳~10歳までに性の知識を手渡しておくこと。幼少期から当たり前のように性や命の話が習慣化できていれば、親子の間にタブーがなくなり、いざ彼氏・彼女ができたときに、避妊やSNSのマナーなどの話がしやすくなります。もちろん、進路のことやお友達と喧嘩して、といった相談は性の話より格段にハードルが低いので、親子の信頼関係は性教育で土台を作っていけるのです。
※講演のご依頼は申込フォーム
からお問合せください。